HSK読解の解き方 ― 全文和訳せず根拠を探す

Pletec LLC Editorial Team ·

HSK読解で必要なのは、きれいな全文和訳ではなく、設問に対する根拠を素早く見つける力です。日本語の読解問題と同じで、先に何を問われているかを確認してから本文に入ると、読む量も迷いも減ります。全部を理解しようとするほど時間が足りなくなる——これが読解でいちばん多い失敗です。

設問から本文へ進む

読む順番を「本文→設問」ではなく「設問→本文」に変えるだけで、探すべき場所が絞れます。

  1. 設問が 人・理由・時期・気持ち のどれを問うているか印を付ける。
  2. 本文で、人名・数字・同じ語、そして でも(dànshì)・所以(suǒyǐ) などの接続表現を探す。
  3. 見つけた一文の前後を読み、選択肢を比べて決める。

本文の隅々まで訳す必要はありません。「答えの根拠になる一文」を探すつもりで読みます。

問題タイプ別のコツ

読解はいくつかの形式に分かれます。形式ごとに読み方を変えると速くなります。

問題タイプ内容コツ
語順の並べ替え単語・句を正しい語順にまず主語・述語・目的語(SVO)の骨格を決め、時間・場所の語を前に寄せる
穴埋め(文・語の選択)空所に合う語や文を選ぶ空所の前後の品詞と接続を見る。接続詞なら前後の論理(逆接・因果)で判断
短文の内容一致短い文の趣旨を選ぶ言い換え(同義語)に注意。本文の語がそのまま選択肢にある方が罠のことも
長文読解まとまった文章の理解段落の最初と最後を先に読み、全体の流れをつかんでから設問へ

並べ替えは、語彙が分からなくても文法の骨格(SVO+修飾の位置)で解けることが多い形式です。文法を固めるほど安定します。

時間配分の目安

読解は「難しい1問に沈む」と全体が崩れます。分からない問題は印を付けて先に進むのが鉄則です。

  • 1問に想定の1.5倍かかったら、いったん飛ばして次へ。
  • やさしい問題を先に確保し、余った時間で保留分に戻る。
  • 級が上がるほど文章が長くなるので、5〜6級では「読む前に設問を見る」効果が特に大きい。

本番前に過去問を時間を計って解き、自分のペースを知っておきましょう(→過去問の使い方)。

未知語で止まらない

答えに関係しない未知語は飛ばします。重要そうな語でも、その語の意味そのものより、文中での役割を前後から判断できれば十分なことが多いです。

  • 動作・理由・結果のどれを表す語かを、前後の接続から推測する。
  • 漢字の見た目が似ているだけの選択肢を、意味を確かめずに選ばない。日本語の漢字と意味がずれる語(→HSK頻出単語の「日中で意味が違う語」、日本語話者がつまずく中国語の同形異義語表)は特に注意。

誤答は「原因」で分類する

間違えた問題は、原因を分けて記録すると次の練習が具体的になります。

誤答の原因直し方
漢字の見た目で選んだ選んだ語の意味を辞書で確認し、正解との差をメモ
否定・接続を急いで読み飛ばした(bù)/(méi)、但是(dànshì) に印を付けて再読する習慣
語彙不足で根拠が読めない目標級の頻出語を音とセットで増やす
時間切れで未着手やさしい問題から解く順番の練習

復習は「根拠」を残す

正解の根拠になった本文の一文をノートに残すと、次に似た問題を解くときの型になります。誤答は上の表のどれに当たるかを書き添えておきます。分からなかった語は、その場で辞書アプリで調べ、履歴を「覚えていない語リスト」として復習に回すと効率的です。

まとめ

  • 設問を先に読み、根拠になる一文を探す。
  • 問題タイプごとに読み方を変える(並べ替えは文法の骨格で解く)。
  • 難問は飛ばし、やさしい問題を先に確保する。
  • 未知語は役割だけ推測し、誤答は原因まで記録する。

読解の土台になる文法はHSKの勉強法の学習順で、自分の弱点は弱点別の対策で確認できます。