中国語の韻母・母音 ― 口の形と-n/-ngを聞き分ける
中国語の音節で、音の響きの中心になる部分が韻母です。日本語の母音に近い部分もありますが、口の開き方、舌の位置、最後を鼻へ抜くかで、別の音になります。子音が難しく感じる人ほど、先に韻母を安定させると音全体が聞き取りやすくなります。
単母音は口の形で覚える
| 韻母 | 口の形の目安 | 練習語 |
|---|---|---|
a | 大きく開く | 八(bā) |
o | 唇を丸め、短く響かせる | 我(wǒ) |
e | 口を横に引かず、舌の奥で響かせる | 饿(è) |
i | 舌を前へ寄せる | 你(nǐ) |
u | 唇を丸く前へ出す | 不(bù) |
ü | iの舌を保ち、唇だけを丸める | 女(nǚ) |
u と ü は、唇だけでなく舌が違います。u は舌の後ろが高くなり、ü は舌が前に残ります。鏡で唇の形を見て、音声と交互に比べてください。j/q/x の後では、表記の点々を省いて ju/qu/xu と書きますが、音は ü です。
複合母音は「途中の動き」を消さない
ai、ei、ao、ou は、二つの母音を別々に置くのでなく、最初から次へ滑らかに移る音です。たとえば 好(hǎo)は「ハ・オ」と切らず、開いた a から丸い o へ動かします。ie、ua、uoなども、前半を弱く消しすぎないようにします。
-n と -ng は舌か鼻か
日本語話者が混同しやすいのが -n と -ng です。-n は舌先を上の歯ぐきにつけて終えます。-ng は舌先をつけず、舌の奥を上げて鼻へ響きを残します。
| ペア | 聞く・言うときの焦点 |
|---|---|
| 安(ān) / 肮(āng) | -n は前で止め、-ng は奥へ抜く |
| 真(zhēn) / 争(zhēng) | 最後の母音の響きも変わる |
| 人(rén) / 仍(réng) | 語尾だけを小さくしない |
最初は意味を覚えようとせず、an/ang、en/eng、in/ing を交互に言います。録音で末尾がどちらも「ン」になっていないかを確認してください。韻母が安定したら、声母・子音を加えて音節にします。
VOWEL POSITION MAP
母音は舌と唇を別々に動かす
日本語の五母音に近い音でも、中国語では舌の前後や唇の丸め方が意味の区別に関わります。特に`u`と`ü`は、唇だけでなく舌の位置を比べます。
舌が高い口を開く前後iuüeao
- `i`舌を前へ寄せ、唇は大きく丸めない。
- `u`舌の後ろを高くし、唇を前へ丸める。
- `ü``i`の舌を保ったまま、唇だけを丸める。
- `e`日本語の「エ」へ寄せすぎず、口を横に引かない。
練習: まず無音で`i`の口を作り、舌を動かさずに唇だけ丸めて`ü`へ移ります。その後、女(nǚ)を音声と比べます。