中国語のコロケーション ― 単語を「使えるかたまり」で覚える
「単語は知っているのに、つなげると不自然になる」。この壁を越える鍵がコロケーションです。コロケーションとは、ある語がいつも、または高い頻度で一緒に使われる相手のことです。単語を一個ずつ引き出すのではなく、短いかたまりで引き出せるようにします。
なぜ訳語だけでは足りないのか
日本語では「宿題をする」と言いますが、中国語では 做作业(zuò zuòyè) です。「写真を撮る」は 拍照(pāizhào)、「薬を飲む」は 吃药(chī yào)。「する・撮る・飲む」という日本語の動詞を、そのまま一つの中国語動詞へ置き換えることはできません。
ここで重要なのは、做、拍、吃を単独で暗記することではなく、做作业/拍照/吃药を一枚の語として覚えることです。目的語までが入れば、会話で迷う場所が一つ減ります。
最初に集めたい四種類のかたまり
動詞+目的語
最も優先度が高い組み合わせです。新しい名詞や動詞に出会ったら、相手を一つ探します。
| かたまり | ピンイン | 意味 | 最小例文 |
|---|---|---|---|
| 参加活动 | cānjiā huódòng | 活動に参加する | 我想参加这个活动。 |
| 解决问题 | jiějué wèntí | 問題を解決する | 这个办法能解决问题。 |
| 介绍朋友 | jièshào péngyou | 友人を紹介する | 我给你介绍一个朋友。 |
| 选择时间 | xuǎnzé shíjiān | 時間を選ぶ | 你可以选择时间。 |
目的語を替えられる語もありますが、最初の一組は固定で覚えます。选择の後ろに 时间 が置けると分かってから、选择颜色、选择工作へ広げれば十分です。
形容詞+名詞
形容詞は「どんな名詞に使えるか」で意味の境界が見えます。方便(fāngbiàn)「便利な」は 交通方便(交通の便がよい)、使用方便(使いやすい)のように覚えます。高(gāo)「高い」は 价格高(価格が高い)、个子高(背が高い)など、後ろの語で意味が具体化します。
「楽しい」を一語で覚えるより、很有意思(hěn yǒu yìsi)「面白い」、玩得很开心(wán de hěn kāixīn)「楽しく遊ぶ」のように、実際の形で持つほうが安全です。
副詞+動詞・形容詞
会話の自然さを作る短い組み合わせです。
| かたまり | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 已经到了 | もう着いた | 到着の連絡 |
| 还没决定 | まだ決めていない | 予定の相談 |
| 一直在等 | ずっと待っている | 状況の説明 |
| 特别喜欢 | とても好き | 好みを強調する |
还(hái) と 已经(yǐjīng) は単独の日本語訳だけで覚えるより、还没+動詞/已经+動詞+了 のように対で覚えると使えます。
動詞+結果・方向
中国語では、動作の後に結果を表す語が続くことがあります。看懂(kàndǒng)「読んで理解する」、听见(tīngjiàn)「聞こえる」、写完(xiěwán)「書き終える」は、動詞を一字で終わらせない代表例です。
| 表したいこと | 中国語 | 覚えるポイント |
|---|---|---|
| 分かった | 我听懂了。 | 听+懂=聞いて理解した |
| 見つけた | 我找到了。 | 找+到=探して到達した |
| 食べ終えた | 我吃完了。 | 吃+完=食べて完了した |
この形は文法用語を先に覚えなくても、会話のかたまりとして蓄えられます。意味が分からないときは、二字を切り分けず、そのまま音声で何度も確認してください。
カードは「空所」で作る
コロケーション用のカードは、日本語訳だけの表より空所が向きます。
「問題を解決する」→ 解决_____
答え:问题(jiějué wèntí)
我还没_____。 (まだ決めていません)
答え:决定(Wǒ hái méi juédìng.)
答えを言った後に、一文を声に出します。空所カードは「この語の次に何が来るか」を問うため、単語を文の中に置く練習になります。
一日に作るのは三かたまりまで
コロケーションは無限に集められます。一つの新語につき、まず一〜三個に絞りましょう。辞書の例文、教科書、実際に聞いた会話から採ると、再会しやすい良いかたまりになります。辞書の説明を丸写しするのではなく、自分が次に言えそうな文を残してください。
ミニ練習
次の日本語を、かたまりで言ってみましょう。
- まだ決めていません。
- 明日の時間を選べます。
- もう宿題を終えました。
答えの例:1. 我还没决定。 2. 你可以选择明天的时间。 3. 我已经做完作业了。語順や 了 の使い方に迷ったら、一文を丸ごとカードにして翌日も言います。
まとめ
- 単語は「訳語」ではなく、よく結びつく相手まで含めて覚える。
- 動詞+目的語、副詞+動詞、動詞+結果を優先して集める。
- 空所カードと短い例文で、次に続く語を思い出す練習をする。