中国語の語彙を増やす学習計画 ― 何から、どれだけ覚えるか

HSK Study Notes Editorial Team ·

語彙学習で先に決めるべきなのは、「一日何語覚えるか」ではなく、どの語に何度再会できるかです。目標語数だけを追うと、新しい単語が復習を押し流します。この章では、生活で使える語彙を中心に、初級から中級へ進む順序を作ります。

優先順位は三つの質問で決める

新しい語を入れる前に、次を確認します。

  1. 近いうちに、自分が聞く・言う・読む場面があるか。
  2. すでに学んだ語と組み合わせて、文を増やせるか。
  3. 一週間のうちに、教材・動画・会話で再会しそうか。

三つとも「はい」の語は、試験の級に関係なく優先できます。反対に、難しくても再会のない語は、覚えにくく忘れやすい語です。

初級の土台:名詞より先に、文を動かす語を入れる

食べ物や動物の名詞だけを増やしても、会話は長くなりません。初級では、人称・時間・場所・基本動詞に加えて、文を組み立てる短い語を早めに入れます。

役割まず使いたい語の例
人・指示我、你、他、这、那、谁、什么
時間・頻度今天、明天、现在、时候、常常、已经、还
基本動詞是、有、在、去、来、想、要、会、能、喜欢、知道
質問・つなぎ吗、呢、怎么、为什么、因为、所以、但是
程度・量很、太、都、也、一点儿、多少

これらは単独では地味ですが、覚えた名詞をすぐ文にできます。例えば 咖啡(kāfēi) を覚えたら、我想喝咖啡。/你也喜欢咖啡吗?/今天没有咖啡。と文が増えます。

目安となる三段階の設計

語数は能力の絶対的な線引きではありません。あくまで「どんな語を厚くするか」を考える目安です。

段階学習の中心できるようにしたいこと
最初の300〜500語高頻度の動詞・形容詞・機能語と生活語自己紹介、買い物、時間、簡単な依頼
500〜1,500語場面別の語彙、動詞の組み合わせ、反対語短い会話を続け、経験や予定を話す
1,500語以降近い意味の使い分け、抽象語、読書・仕事の語理由・意見・比較を自分の言葉で伝える

単語リストは出発点に過ぎません。HSKを目標にするなら、級別の単語を「暗記対象」ではなく、例文を作るための材料として使います。

一週間の回し方

週に五日、1日15〜25分を想定した例です。新出語は、復習で詰まらない量に調整してください。

曜日内容
新出 5〜8語+前週の苦手語
月の語を音・日本語から答える+新出 5語
新出を少なめにし、月火の例文を変える
直近3日分を混ぜて復習。出ない語だけ戻す
新出 5語+一週間の語で短い独り言・作文
週末10〜15分だけ総復習。余裕があれば教材で再会する

「水曜に忘れていた」ことは計画の失敗ではありません。木曜に戻せるよう、金曜までの新出量を空けておくことが計画です。

語彙の集め方を一つに絞る

単語の出所を増やしすぎると、復習対象が散らばります。最初は次のうち一つを主軸にし、他は補助にします。

  • 教科書・レッスンで出会う語
  • 自分の生活で必要になった語
  • HSKなど目標試験の頻出語
  • 毎日触れる短い動画・読み物の語

おすすめは「教材の語を主軸にし、生活で調べた語を追加する」形です。調べた語は忘れやすい一方、あなたに必要だった理由があるため、良い復習材料になります。

新出語を減らすべきサイン

次の状態なら、三日ほど新出語を止めて復習に寄せます。

  • 復習カードが毎日20分を超えている
  • 二日前の語を半分以上思い出せない
  • 発音を確かめず、日本語訳だけを見て進めている
  • 例文を一つも作れないままカードが増えている

語彙は貯金に似ています。入金額を増やすより、出ていかない仕組みを先に作ると残高が増えます。実際の一語の扱い方は、中国語単語の覚え方・完全ガイドで確認してください。

まとめ

  • 優先するのは、必要で、既知語とつながり、再会しやすい語。
  • 初級は名詞だけでなく、想・还・已经のような文を動かす短い語を厚くする。
  • 新出量は復習量で決め、週に一度は「増やさない日」を作る。